バブル崩壊を予測した男


「バブル崩壊を予測した男」

1989年夏、それは、ホテルセンチュリーハイアットのレストランで二人の話が始まった。
久しぶりの帰国で、美里山と会った佐々木はこう切り出した「美里山さん今の日本の経済状態どう思いますか」すると、「不動産の暴落が起こる」と美里山は答えた。
佐々木はこのまま土地も株も上がり続ける状態はいつまでも続かないのではないかと思っていたのである、
しかし土地が下がるにしてもなぜ下がるのか理由が見つからなかった。

美里山の考えは、こうであった、オイルショック時、世界のマネーがどう動いたかである、そしてオイルマネーを注視していた日本でも数少ない宝石コンサルタントが美里山であった。

サウジアラビヤの人々はオイルマネーで何を買ったか、それは「ダイヤモンドと金」である、その為に金の国際相場とダイヤモンドの価格は暴騰したのである、その後まもなく暴落する。

それを見ていた美里山は日本のバブルマネーが土地と株を暴騰させ「まさに今それが起こっているようだ」と笑いながら言った。
1991年バブルは崩壊し、その後日本経済は回復していない。

2002年夏、佐々木は十数年ぶりに美里山と再会した、お互いに少し年を重ねた感じだったが、あの時の土地の暴落の話ははっきり覚えていた。
佐々木はコーヒーを飲みながら言った、美里山さんあなたの言うとおりにバブルが崩壊しましたね、美里山は黙って笑っていた。

佐々木は今の日本経済の不透明さを、彼に聞いてみたいと思っていた。

藤原 斎